
美は、絶えず動いています。
窓から見えていた山や川、公園の樹木が、お隣にマンションが建って、見えなくなるかも知れません。
前の道路が拡幅され、通行車が増えて、落ち着きを失うかも知れません。
わたしたち「宮城の伊達な杉で家を創る会」では、根拠を持つデザインを重視しています。
窓の上に設ける小庇(ひさし)は、決して飾りではありません。
庇は、人間の顔でいうと眉毛や睫毛(まつげ)にあたります。
もし眉毛や睫毛がなかったら、雨はもろに目に入り込みます。住まいは、人間の身体と同じように制御装置を持っています。
その機能性が、美しさを生むのです。庇があれば、弱い雨の日なら窓を開け放っておけます。
時間を経ると、建物自体も変化します。
色褪せたり、貧相になる材料(プラスチック類)ではなく、年月と共によくなる材料(木や土など)を選びたいと思います。
ものが時間の経過と共に変化することを老朽化ということでくくりたくありません。
使い込んだ道具や家具に対して、人は愛着を感じています。
あめ色になった板壁や梁は、家族の歴史を記憶していてくれるように思ったりします。5月5日に付けられた背比べの柱のキズは、家族の記録です。